⧉ Q&A
A1.在留資格変更許可申請在留期間更新許可申請は、法務大臣の広範な裁量に委ねられているので、羈束行為ではなく、一定の書類を提出すれば許可されるというものではありません。しかし、在留資格認定証明書の交付処分は羈束行為とされ、法令が明示する要件以外の要件はありえません。ただし、在留資格認定証明書の証明対象についての立証責任は外国人にある以上、こちらも一定の書類を提出すれば必ず交付処分となるというものではありません。入管に対する申請準備においてはあ、案内されている提出資料を、そのまま用意すればよいというものではなく、具体的事案の特性をよく把握したうえで、要件の立証のためにいかなる資料が有効・適切かを慎重に判断する必要があります。
A2.在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請などの在留審査手続は、地方出入国在留管理局又はその支局及び出張所で行います。帰化許可申請は国籍事務となりますので、地方法務局の本局又は支局となります。(申請人の住所地を管轄する地方法務局又は支局。東京都の場合は、すべて本局で行います。)通常事前相談が必要となります。相談・申請は必ず申請人であるご本人が出向かなければなりません。行政書士等は、同行して一緒に話を聞くことは可能です。
A3.申請人の在留カードやパスポートは提出資料ではなく、提示資料となります。たとえ申請中であっても、在留期間の満了日後の特例期間を含めて、再入国許可を得て(みなし再入国許可の適用を受ける場合を含む。)、出入国が可能です。この場合、必ず特例期間の最終日までに再入国し、新しい在留カードの交付を受けるようにしてください。
A4.平成22年7月1日から、在留期間の満了日までに申請した場合において、申請に対する処分が在留期間の満了までに終了しない場合には、その外国人は、その在留期間の満了後も、処分がされるとき又は従前の在留期間の満了日から2か月を経過する日のいずれか早いときまで、引き続き当該在留資格をもって本邦に在留することができることとなります。
A5.資格外活動の許可の期間を、従前の在留資格で在留することができる期間までとするように、資格外活動の許可を行う際に措置しています。
A6.在留期間の満了日から2か月を経過したときは不法残留となりますが、それまでに処分を行うように努めていきたいと考えています。また、申請は在留期間が満了する3か月前から受付けていますので、できる限り早めに申請してください。処分結果に関するお知らせが届いた際にはできる限り速やかに出頭するようお願いします。
A7.永住許可申請の審査中であっても、現在保有する在留資格に係る在留期間の満了日が経過するまでに、当該在留資格に係る在留期間更新許可申請を行わないと在留期間の満了日を経過した以上不法残留になってしまいます。永住許可申請の場合は、「在留期間の特例制度」のように、審査中であれば在留期間の満了日を経過しても適法な在留を認める制度はありません。
A8.在留期間の満了日が地方出入国在留管理局の閉庁日である土日祝日である場合、申請が当該満了後の直近の開庁日になされたときは、申請受付期間内の申請として受け付けられます。(行政機関の休日に関する法律第2条)。もっとも、在留期間の満了日を経過した時点で不法滞在状態となる以上、不法滞在として問題となる可能性もあるので、申請はなるべく余裕をもって行うこととすること。
A9.当該外国人が再入国の許可を受けている場合、在留資格該当性は、その者の上陸を許可するか否かを判断するにあたり、審査されません。
A10.入管法は、「すべての人の出入国の公正な管理」を目的とし、入管法第60条は日本人の出国確認、第61条は日本人の帰国の確認について規定しています。
A11.入管法第25条第1項では、本邦外の地域に赴く意図をもって出国しようとする外国人(乗員を除く)は、その者が出国する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から出国の確認を受けなければならないと規定しています。第2項では、前項の外国人は、出国の確認を受けなければ出国してはならないと規定しています。
A12.入管法は、「すべての人の出入国の公正な管理」を目的とし、入管法第60条は日本人の出国確認、第61条は日本人の帰国の確認について規定しています。
A13.入管法上「外国人」とは、日本国籍を有しないと定義されています。よって、外国の国籍を有していても日本国籍を有していれば「外国人」とはなりません。
A14.入管法別表第1の3の表及び4の表の上欄の在留資格(「留学」など)をもって在留する者は、資格外活動の許可(入管法第19条第2項)を受けて行う場合を除き、「収入を伴う事業を経営する活動又は報酬を受ける活動」を行うことはできません。アルバイトは、「報酬を受ける活動」に該当しますので、留学生がアルバイトするには、必ず資格外活動許可を受ける必要があります。
A15.日本の大学又は大学院を卒業・修了した留学生は、在留資格「特定活動」を取得することで、一般的なサービス業務や製造業務での活動が可能となりました。
以下の2点を満たす方が対象となります。
@ 日本の4年生大学又は大学院を卒業・修了し、学位を授与された者(短期大学・専修学校・外国の大学又は大学院を卒業・修了した者は対象外)
A 日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テスト480点以上を有する者。又は日本の大学・大学院で「日本語」を専攻し、卒業・修了した者。
具体的な活動例としては、
・飲食店に採用され、店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行うもの
・工場のラインにおいて、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ、自らもラインに入って業務を行うもの
報酬については、日本人の大卒・院卒者と同等額以上が必要です。地域や国々の企業の賃金体系基盤に、同業他社の日本人の賃金等も参考にして判断されます。また、配偶者と子についての滞在も認められます。
A16.現行の就労ビザの制度では、専門学校を卒業した留学生が就労ビザを取る場合、専門学校で学んだ内容が密接に関連していることが求められます。そして、その仕事内容が就労ビザで認められている仕事内容でなければなりません。例えば、「理美容」「調理」「保育」等は専門学校としては多く存在しますが、就労ビザの取得はできません。これらの仕事に該当する在留資格が現行制度では存在しません。また、単純労働とみなされるような業務も在留資格の取得はできません。(2019年4月からの法改正によって一部の職種では、単純労働でも在留資格の取得が可能になっています。)専門学校生でも大学卒業者であっても同様です。ただ、美容師や調理師として、現場で働くことは無理でも、その業界に入ることは可能です。管理的な業務として従事するのであれば、在留資格を取得できる可能性はあります。
日本の専門学校卒業(見込み者)の場合い、大学卒業者と比較していろいろな面で審査が厳しきなっています。海外の専門学校卒業者では、基本的に就労ビザを取得することは無理と言ってもよいです。ただし、従事しようとする業務内容について10年以上の実務経験があれば、取得できる可能性はあります。在留資格が取得可能な業務として、専門学校で履修・修得した専門知識や直接的に活かすことができるもの、学術的要素や拝啓に裏付けられた知識を活用する業務に従事できるような職種である必要があります。
一般的な就労可能な在留資格である「秘術・人文知識・国際業務」の場合は、卒業した学科や履修した単位と従事する職務内容との関連性が妥当であるかという点の審査が厳しく行われます。学科名やコース名はもちろんのこと、専門学校卒業時に取得する専門士の称号の種類、取得単位及び数などによって左右されます。関連性を持つ単位が1単位では少ないといわれます。具体的に何単位以上とは決まっていませんが、できるだけ多い方が良く、かつ成績も良いに越したことはありません。
A17.就労系の在留資格は、大学等での専攻科目と就労先での業務内容との関連性が重視されます。なので非常に難しいですが、例えば、翻訳システムなどを開発する場合は、技術的な側面と言語的な側面の両方が必要とされます。なので、文科系出身者でも「技術」の在留資格を取得できる可能性はあります。この場合、何らかの関連資格や技能をもっていることを証明できれば有利に働きます。理由書の中で、本人のSEとしての能力や実績などを具体的に記載することが重要です。
A18.職場での業務内容によって異なります。例えば、専門の通訳者や電話オペレーターなど、外国人である必要性が高い業務の場合は、「技術・人文知識・国際業務」の取得の可能性は高いです。しかし、配送業務や倉庫作業のような場合はで、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得することはできません。外国人の来店客数などを記録して、添付書類として提出できれば、さらに許可の可能性は高くなります。
A19.通訳翻訳・マーケティングの仕事をするための在留資格は「技術・人文知識・国際業務」となります。ここで注意しなければならないのは、通訳翻訳・マーケティングの専従者でなければなりません。つまり、通訳翻訳の仕事をしながら、ホテル内のレストランで配膳をしたり、部屋のベッドメイキングをしたりすることは原則できません。そのため「技術・人文知識・国際業務」としての在留資格を取得するには、通訳翻訳・マーケティング専従者であることを多角的に立証しなければなりません。外国人客の多いホテルであり、高度な外国人対応が必要であること等、その事実を立証する書面が必要となってきます。
A20.飲食店で、配膳係などの店員として働ける在留資格はありません。店員として働けるのは、永住者や定住者、、日本人の配偶者等の在留資格を所持した方だけです。あるいは、資格外活動許可を取得した留学生や家族滞在の方たちです。ただし、飲食店でも「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が取得できる場合もあります。例えば、外国人客の多い店で、日常的に通訳翻訳の仕事がある場合には、「技術・人文知識・国際業務」が取得できる可能性があります。また、複数店舗のある場合、マネージャーなどの管理職として働く場合には「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が取得可能です。調理師やソムリエとして採用する場合は、一定期間の実務経験があれば「技能」の在留資格が取得できます。
A21.日本語学校の留学生でも要件さえ満たしていれば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は取得可能です。例えば、本国の大学を卒業しているのであれば、特に問題はありません。日本語学校は、大学や一般の専門学校と違い、日本語だけを学ぶ学校なので、たとえ出席日数が少なかったとか、途中で退学した場合であってもその理由を書面で説明することができれば、審査で不利になることは少ないです。
A22.日本でも海外でも、通信制の大学や放送大学といったインターネット等を活用した大学の勉強ができる環境が整ってきています。これらの大学を卒業した場合でも、卒業証明書や成績証明書等の提出ができれば、審査はスムーズに進みます。ただし、海外の通信制の大学は、大学と認められるかどうかを判断しなければならない場合もありますので注意が必要です。
A23.日本の大学は4年制ですが、中国では3年制と4年制があります。国によって教育制度は異なります。学士以上の学位を持っていれば、日本の大学卒業相当とみなされ、学歴要件はクリアーできます。ただ、それらの学位が大学卒業程度と判断されるかは、卒業証書だけでは判断できず、当該国の機関の資料等も参考に判断されることになります。これらの資料をもとに作成した書面も一緒に提出して審査を受けます。
A24.留学生が日本の大学を卒業したときに、まだ就職先が決まっていない場合、就職活動を行うための在留資格を申請できます。「特定活動」という在留資格で、例えば、会社都合で退職した場合、次の仕事が決まっていない場合に資格変更ができます。ただし、失業後6か月以上経過していると変更が難しくなります。就職活動のために特定活動に資格変更した場合、同時に資格外活動許可を取得すれば、アルバイトをしながら就職活動をすることができます。本国の大学を卒業した者が、日本で就職活動をしたい場合は、「短期滞在」の在留資格を取得すれば、日本での就職活動ができる場合もあります。
A25.ワーキングホリデーとは
2国間の協定に基づいて、青年(18歳〜25歳、26歳、29歳又は30歳)が異なった文化の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために一定の就労をすることを認める査証及び出入国管理上の特別な制度です。原則として、各相手国ごとに一生に一度しか利用できません。
この査証を使用する青年は、アルバイトで滞在費を補うことが許可されており、ワーキングホリデーは「旅する」ことに加え、「学ぶ」「働く」「暮らす」といった海外生活が総合的に体験できる制度といえます。しかしながら、あくまで観光が目的の査証なので、ワーホリ査証を利用して、就労や就学を第一目的とする渡航は禁じられています。
就労の在留資格への変更
就労の在留資格への変更は、国によって異なります。相手国と日本との協定により決まり、突然変更されることもあります。
・就労の在留資格へ変更できる国
韓国、ドイツ、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアであれば変更可能です。ただし、要件を満たさなければなりません。
・ワーキングホリデーの期間更新
オーストラリアのみ更新できます。
A26.設立したばかりの会社やせつりつ後1年未満の会社は、決算報告書を出すことができません。このため、会社の安定性や事業継続性の審査がより慎重になります。このような場合には、「事業計画書」を作成します。より具体的で実現可能性の高いものが要求されます。
A26.設立したばかりの会社やせつりつ後1年未満の会社は、決算報告書を出すことができません。このため、会社の安定性や事業継続性の審査がより慎重になります。このような場合には、「事業計画書」を作成します。より具体的で実現可能性の高いものが要求されます。
A27.単純労働が認められているのは、身分系の在留資格(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)であり、条件付きで認められているのは、留学生・家族滞在・文化活動等の在留資格所持者で、資格外活動許可を得ている者だけです。
会社入社当初の現場実習は可能なのか
原則、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、現業に従事することはできません。そのため、たとえ入社時の現場実習といえども認められない場合もあります。ただし、以下のような条件を満たし、論理的に説明し、客観的に説明ができれば認められる可能性はあります。
@ 入社時に行われる研修の一環であること
A 日本人含めて、皆が必ず参加するものであること
B 本来の業務を行う上で、必ず必要なものであること