帰化許可申請

 帰化とは

ある国家の国籍を有しない外国人が、国籍の取得を申請して、ある国家がその外国人に対して新たに国籍を認めることをいいます。日本の国籍を有しない外国人が日本国籍の取得を申請して、日本がその外国人に対して新たに日本国籍を認めることです。

 

帰化申請の手順
@ 事前相談  A 提出書類の作成・取り寄せ  B 法務局・地方法務局に申請  C 書類の点検・受付 
D 審査  E 法務省へ書類送付・審査  F 法務大臣決済  G 許可・不許可
※許可の場合、官報告示・法務局から本人へ通知  不許可の場合、法務局から本人に通知

 

※帰化許可申請は、行政手続法・行政不服審査法の適用除外です。
すなわち、これらの法律で定められてる審査基準や標準処理期間の公表する必要がなく、行政不服申立ができないことになっています。許可が下りるのはいつになるのか、不許可となった場合にはその理由すら教えてもらえません。

 

 普通帰化の条件

国籍法第5条に「法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可できない」と規定されています。これには6つの要件が法律で規定されています。その他に、法律の条文では規定されていませんが、原則として日本語の読み書き、会話能力があることが条件です。この日本語能力は、小学校3年生レベル程度とされていますが、帰化許可がされた後に、日常生活に支障をきたさない程度の能力は必要ということになります。

 

1.引き続き5年以上日本に住所を有すること(国籍法第5条第1項第1号)
帰化許可申請をするときまでに、引き続き5年以上日本に住所を有していなければなりません。住所というのは、人の生活の本拠のことであり、居所ではありません。5年間の居住期間に中断の時期があればこの条件を満たさなくなりますので注意が必要です。

この5年間というのは、単に住んでいればいいということではなく、就労系の在留資格で3年以上働いている期間が必要とされています。これは、帰化要件の一つに生計要件がありますが、安定した生活基盤を構築するには3年程度の就労期間は必要であろうという解釈からきているものと思われます。
例1)留学ビザ2年+就労ビザ3年=合計5年 ○
例2)留学ビザ4年+就労ビザ2年=合計6年 ×
例3)留学ビザ5年 ×
例外として、10年以上日本に居住されている方は、就労期間は1年で大丈夫です。
例4)留学ビザ9年+就労ビザ1年=合計10年 ○

 

2.20歳以上で本国法によつて行為能力を有すること(国籍法第5条第1項第2号)
帰化許可申請者は20歳以上であり、かつ、本国法によって行為能力を有していなければなりません。要は本国法で成年に達していなければならないということです。未成年者の場合は、本人ひとりでは申請できませんが、親が帰化許可申請をすれば、帰化が許可された時点で「日本国民の子」ということになり、この要件は問題とならなくなります。実際は、親と未成年の子は一緒に申請して、親子同時に許可されることになります。

 

3.素行が善良であること(国籍法第5条第1項第3号)
素行が善良であるとは、通常の日本人の素行と比較してそれに劣らないことをいい、前科や非行歴の有無によって判断されるものになります。また道路交通法であっても注意が必要で、重大な交通違反歴がある場合は、審査に影響します。会社等の経営者の方は、適切な所得申告や納税義務にも注意が必要です。

 

4.自己又は生計を一つにする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること(国籍法第5条第1項第4号)
自力で生計を営むことができる者に限らず、夫に扶養されている妻、子に扶養されている親というように、自力では生計を営むことができない者であっても、生計を一つにする親族の資産又は技能を総合的に判断して、生計を営むことができればよいことになっています。「生計を一つにする」とは、世帯よりも広い概念であって同居していなくても構わないので、親からの仕送り等で生活している学生等も含まれます。

 

5.国籍を有せず、又は日本の国籍取得によってその国籍を失うべきこと(国籍法第5条第1項第5号)
帰化許可申請は、無国籍者又は日本国籍を取得することで、それまで有していた国籍を喪失する者でなければなりません。この点に関しては、多くの国で自国民が外国に帰化すると当然に国籍を喪失することになっており問題ないのですが、中には外国籍を取得した後でなければ自国籍の喪失を認めない国もあります。このような場合は、国籍法第5条第2項で規定しています。法務大臣が特に許可することを相当と認めるときに該当します。

 

6.日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、っもしくはこれに加入したことがないこと(国籍法第5条第1項第6号)
憲法や政府を暴力で破壊するような行為を主張する者であってはならず、また、憲法や政府を暴力で破壊することを主張する政党や団体を結成したり、これに加入したことがない者でなければなりません。

 

 特別(簡易)帰化の条件

特別帰化は、国籍法第6条から第8条で規定されています。
@ 日本国民であった者の子(養子は除く)で、引き続き3年以上日本医住所又は居所を有するもの(国籍法第6条第1項第1号)
A 日本で生まれた者で、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、又はその父若しくは母(養父母は除く)が日本で生まれたもの(国籍法第6条第1項第2号)
B 引き続き10年以上日本に居所を有するもの(現に日本に住所を有するもの)(国籍法第6条第1項第3号)
C 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの(国籍法第7条前段)
D 日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの(国籍法第7条後段)
E 日本国民の子(養子を除く)日本に住所を有するもの(国籍法第8条第1項第1号)
F 日本国民の養子で引き続き1年以上に異本に住所を有し、かつ、縁組のとき本国法により未成年であったもの(国籍法第8条第1項第2号)
G 日本の国籍を失った者(日本に帰化した後に日本の国籍を失った者を除く)で日本に住所を有するもの(国籍法第8条第1項第3号)
H 日本で生まれ、かつ、出生のときから国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの(国籍法第8条第1項第4号)

 

 (参考)大帰化

大帰化とは、普通帰化や特別帰化の要件を満たさない(あるいは満たすが本人が積極的に帰化を申し出ない)が、日本に特別の功労のある外国人に対して国会の承認を得て行う帰化の通称である。国籍法第9条に規定があるが、現行の国籍法施行下(1950年7月1日以降)で認められた例はない。他の帰化のように本人の意思による自発的な帰化でなく、日本が国家として一方的に許可するものであるため、本来の国籍を離脱する義務は課されない。いわば「法的効力を持つ名誉市民権」である。

 

 帰化許可の申請(国籍法施行規則第2条)

帰化許可の申請は、帰化しようとする者の住所地を管轄する法務局又は地方法務局の長を経由してしなければならない。
2 前項の申請は、申請しようとする者が自ら法務局又は地方法務局に出頭して、書面によってしなければならない。
(なお、本人が15歳未満のときは親権者などの法定代理人が自ら法務局に出頭しなければなりません(国籍法第18条))
3 申請書には、次の事項を記載して申請する者が署名押印し、帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書面を添付しなければならない。
一 帰化をしようとする者の氏名、現に有する国籍、出生の年月日及び場所、住所並びに男女の別
二 父母の氏名及び本籍、父または母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
三 帰化の許否に関し参考となるべき事項

 

 帰化許可申請に必要な書類

帰化許可申請の際に必要な書類は、大別して以下の4種類があります。
● 作成しなければならない書類 ● 収集しなければならない書類 ● 手持ち書類の写し ● その他

 

● 作成しなければならない書類

@ 帰化許可申請書
A 親族の概要を記載した書面
B 履歴書その1その2
C 帰化の動機書
D 宣誓書
E 申述書
F 生計の概要を記載した書面その1その2
G 在勤及び給与証明書
H 自宅附近の略図等
I 勤務先附近の略図等

 

◇申請書類作成の一般的な注意事項
1.用紙は、日本工業規格A列4番で、紙質の丈夫なものを使用し、文字は性格、かつ、丁寧に記載します。文字の記載を間違った場合は、二重線を引いて修正します。修正テープや修正液は使用できません。
2.記入にあたっては、黒インクのペン又はボールペンを使用し、鉛筆や消せるボールペンの使用はできません。
3.提出する書類は2部作成します。1部は原本、もう1部はコピーで構いません。
4.外国語で記載された文書は、A4判の翻訳文を付けます。翻訳文には、翻訳者の住所・氏名(押印又はサイン)・翻訳年月日を記載します。翻訳者は、正確に翻訳できればどなたでもあ構いません。
5.パスポートや在留カード、卒業証書等、原本を提出することができないものは、コピーを2部作成し、申請日当日に原本を持参します。確認後、原本はお返しいたします。
6.提出書類には、すべて事実をありのまま記載していただきます。記載すべきことを記載せず又は虚偽の記載がある場合など、調査に協力願えない場合など、これにより許可されない場合があります。虚偽の申請をされた方は、ブラックリストに記載され今後の帰化許可申請に大きく影響します。
7.提出していただく書類は、申請人によって異なりますので、法務局の担当官の指示に従ってください。

 

@ 帰化許可申請書

帰化許可申請書には、帰化しようとする人の国籍、住所、氏名、生年月日、両親の氏名等を記載し、写真を貼付します。この申請書は、申請者ごとに記入します。夫婦2人と子ども2人の4人で申請する場合、4人分の申請書を作成しなければなりません。
(1)日付
申請書の左上部の年月日については、法務局で申請時に記載しますので空欄のまま未記入にしておきます。
(2)写真
申請日前6か月以内に撮影され、縦横各5cmサイズの写真を用意します。写真の裏には氏名を記載します。単身・無帽・無背景・正面上半身で、鮮明に写ってるものであれば、カラーでもモノクロでも構いません。申請者が15歳未満の方の場合は、法定代理人と一緒に撮影したものになります。※両親の間に子どもを挟んで撮影します。写真の貼付する枠の下に、撮影日を記入します。
(3)国籍
国籍証明書又はパスポートに記載の通りに記入します。
(4)出生地
自分の生まれた場所を地番まで記入します。日本生まれの場合は、出生届の記載事項証明書を確認すれば生まれた病院の所在地がわかります。中国人の方は、出生公証書に記載された住所を記入します。その他外国生まれで、出生証明書を見ても地番が不明な場合は、「以下不詳」と記入しても問題ありません。
(5)住所
住民票に記載通りの住所を記入します。マンション等にいお住いの方は、建物名・部屋番号まで記入します。
(6)氏名
漢字又はカタカナで記入します。アルファベットは使えません。氏名が漢字の場合は、ふりがなを記入します。カタカナ表記の場合は、ふりがなは不要です。中国や台湾の簡体字・繁体字は日本漢字に直して記入します。韓国籍の方は、基本証明書に記載されている韓国語の発音でふりがなを記入します。
(7)通称名
今まで使用したことのある通称名をすべて記入します。通称名を使ったことのない方は、空欄のままで結構です。最大で3つまで書き入れることができます。
(8)生年月日
帰化許可申請者本人の生年月日を記入します。すべて和暦で記入します。西暦での記入は認められません。もし生年月日を訂正したことがある場合は、訂正前の生年月日を括弧書きします。
(9)父母との続柄
長男、長女といったように父母にとって自分は何にあたるかを書きます。養父母の場合も同様です。
(10)父母の氏名
父と母の氏名を記入します。仮に両親が離婚している場合であっても、父母の氏名を記入します。父母がすでに亡くなっている場合は、「亡」を氏名の前に付けます。父母が行方不明の場合であっても氏名を記入します。
(11)父母の本籍又は国籍
父母の国籍を記入します。両親が日本人の場合は、本籍地を地番まで記入します。「日本」とは書かないでください。
(12)養父母の氏名
申請人が養子の場合は、養父母の氏名を記入します。すでに亡くなっている場合は「亡」を氏名の前に付けます。
(13)養父母の国籍
こちらも養父母の国籍又は本籍を記入します。
(14)帰化後の本籍
帰化後の本籍とは、日本人になった場合に戸籍を置く場所です。帰化後の本籍は自由に決めることができます。
(15)帰化後の氏名
帰化後の氏名については、自由に決めることができます。母国の名前をそのまま使っても構いませんし、通称名を使うこともできます。日本人のような名前を新たに付けることもできます。ただし、帰化後の氏名に使える文字にいついては制限がありますので、注意が必要です。結婚されている方は、帰化後の氏名について夫又は妻のいずれの氏によるかを(   )内に明記します。帰化後の氏の横にカッコ書きで(夫の氏)又は(妻の氏)と記入します。
(16)「申請者の署名又は法定代理人の住所、資格及び氏名」欄
申請者が署名する欄になります。帰化申請がの法務局で受け付けられたときに、担当官の前で自署するので空欄のままにしておきます。

 

A 親族の概要を記載した書面

親族の概要は、帰化申請者本人を除いて記入します。日本在住の親族と海外在住の親族で居住地で分けて作成します。記載すべき親族の範囲は、申請していない「同居の親族」のほか、「配偶者(元配偶者も含む。)」、申請者の「両親(養父母も含む。)」、「子(養子も含む。)」、「兄弟姉妹」、「配偶者の両親」、「内縁の夫(妻)」、「婚約者」になります。これらの親族は、亡くなっている場合でも記入します。申請者の両親が離婚していいる場合でも、父母について記入します。
(1)親族を書く順番
親族の概要については、記入する親族の順番は、以下の通りに決められています。
1.配偶者(元配偶者含む。)
2.申請者の両親(養父母含む。)
3.申請者の子(養子含む。)
4.申請者の兄弟姉妹
5.配偶者の両親
6.内縁の夫(妻)
7.婚約者
※ポイントとして、離婚した元妻は優先順位が高いことに注意が必要です。
※同居の親族が他にいる場合は、同居の親族の方が、同居をしていない親族より優先します。
(例)''いとこ''と同居していれば、配偶者の次に記入します。別居している両親や子より優先します。
(2)居住地区分
日本に住んでいる親族と海外に住んでいる親族は必ず分けて記入します。
日本に住んでいる親族について書く場合は、「□日本」を「■日本」とします。
(3)続柄
親族と申請者の続柄を記入します。
配偶者は「夫」又は「妻」、元配偶者は「前夫」又は「前妻」あるいは「元夫」又は「元妻」、申請者の両親は「父」又は「母」、申請者の子「長男」又は「二男」等、配偶者の両親は「夫(妻)の父」又は「夫(妻)の母」、親族の伯父「父(母)の兄」、叔父「父(母)の弟」等
(4)氏名
苗字・名前の順にフルネームを記入します。中国・韓国の方は漢字、その他の国の方はカタカナで記入します。生年月日については、西暦でなく和暦表記とします。
(5)年齢
数字のみで年齢を記入します。「歳(才)」は不要です。
(6)職業
職業は、「会社員・経営者・アルバイト」等、働いていない場合は「無職」と記入します。国家資格者や専門的な職業の場合は、そのまま「弁護士・医者・教師」等、学生の場合は「小学生・中学生・高校生」等記入します。赤ちゃんを含め、小学校入学前の子どもは「未就学」と記入します。
(7)住所
申請人と現在一緒に住んでいる方は、住所を書かずに「同居」と記入します。海外会在住の方は住所は、アルファベット表記ではなく、カタカナ表記とします。
(8)交際状況等
●交際
記載した親族との交際が現在あるかどうかを記入します。
●帰化意思
その親族の方に帰化の意思があるかどうかです。
●意見
帰化申請人の帰化に対して、その親族が賛成しているかどうかといった意見になります。
賛成か反対にチェックをいれます。
・TEL 電話番号を記入します。
・年月日(帰化・申請) 帰化済みの方は帰化の日付を書き入れて、帰化に〇。申請中の方は申請日を書き入れて、申請に〇。

 

B 履歴書

履歴書は、申請者の事柄を漏らさず記入しなければなりません。記載漏れがあると書き直しとなります。履歴書は、申請者ごとに作成します。(15歳未満の方は不要です。)履歴書にはその1・その2があります。
●履歴書(その1)は帰化申請者の居住関係、学歴・職歴、身分関係を生まれてから現在まで時系列で表したものになります。
・現在に至るまでの居住関係を空白期間がないように記入します。
・学歴、職歴については古い年代順に空白期間がないように記入します。
(1)年月日
和暦を使用します。昭和、平成、令和等、西暦は使用できません。
(2)居住関係
移転がある場合は、「〇〇に移転(〇〇年〇〇月〇〇日まで)」、「〇〇に移転(〇〇年〇〇月〇〇日まで)」、最後は「〇〇に移転(現在まで)」とします。
(3)学歴・職歴
・学歴
小学校から大学(院)まですべての学歴を記入します。大学は、学部学科まで明記します。「〇〇小学校入学」「同校卒業」、「〇〇中学校」「同校卒業」とつなげていきます。中退した場合は、中退と記入します。
・職歴
「〇〇会社入社〇〇部〇〇担当」といったように、どこの会社に入社し、何を担当しているかまで記入します。役職があれば役職も書き、日本の職歴だけでなく、本国の職歴門書きます。正社員だけでなく、アルバイト歴も記入しいます。
(4)身分関係
自身の出生や結婚、離婚だけでなく、父母の離婚も書く必要があります。また死亡している場合は、「父死亡」等とし、子の出生は「長男〇〇出生」と記入します。
●履歴書(その2)は、出入国歴、技能・資格、賞罰について記入します。出入国歴は、パスポートを参考にしたり、出入国歴を取り寄せて正確に記入します。技能・資格については、基本的に自動車運転免許証のみの記載だけで構いません。賞罰は交通違反歴を記入します。運転記録証明書を取り寄せて正確に書いてください。
(1)氏名
これまでの書類同様に、苗字と名前のフルネームで帰化前の氏名を書きます。
(2)出入国歴
出入国歴の記載期間は、普通帰化で5年分、簡易帰化で3年分となります。出国の回数が多く1枚に書ききれない方は、追加の用紙に記入します。総出国日数は、1枚目のみに書きます。
(3)期間
上から古い順に正確に書いてください。年号は和暦で書きます。
(4)日数
出国した日数を書きます。
(5)渡航先
どこの国に行ったかを書きます。一度に複数の国に行った場合は、すべて記入します。
(6)目的・同行者等
出国目的(仕事、観光等)、同伴者(会社の上司・同僚、友人等)を記入します。
(7)総出国日数
総出国日数は、1枚目のみに書きます。合計の数字を間違いえないようにしてください。
(8)技能・資格
国家資格・公的資格のみを記入します。資格名、取得年月日、資格の登録番号等を書きます。自動車運転免許証もこちらに書きます。免許の種類、免許の取得日、免許番号を書きます。
記入例:昭和59年8月20日 第一種普通自動車運転免許証取得(免許証番号○○○○○○○○○○○○)
(9)賞罰
賞は日本国から褒章を受けたものについて記入しますが、通常はないと思います。罰の多くは交通違反です。違反がある場合はその違反歴を書きます。過去5年分の「運転記録証明書」を取り寄せて日付・違反内容・罰金(反則金)まで正確に記入します。罰がある場合は、犯罪の内容・罪の程度・回数等によって判断されますが、許可については難しいものになります。交通違反についても、1点〜3点までの軽微なもの1、2回程度であれば問題ありませんが、飲酒運転や重大な事故を起こした場合は、相当の期間が経過してからでないと帰化の許可は難しいものになります。
(10)確認等
この欄には何も記入しません。

 

C 帰化の動機書

帰化したい、日本国籍を取得したい理由を記入します。どう書けば良いというものはありませんが、読みやすく、丁寧な文字で書いてください。帰化の動機書だけは、必ず自署しなければなりません。
申請者ごとに記入しますが、15歳未満の方及び特別永住者の方は不要です。
A4サイズの用紙1〜2枚程度で、事実のみを記入し、長々と書く必要はありません。

 

D 宣誓書

宣誓書は事前に作成するものではなく、申請日に書類が受理された際に、法務局の担当官の面前で署名・捺印(サイン)するものです。
こちらも申請者ごとに作成ますが、15歳未満の方は不要です。

 

E 申述書

申述書は基本的に実母に記入してもらうものになります。実母がすでに亡くなっている場合は、実父に記入してもらいます。両親とも亡くなっているいる場合は、その他の方に記入してもらうことになります。
申述書は実母に自署してもらわなければなりません。印鑑のない国ではサインしてもらうことになります。
※海外在住の実母に記入してもらう場合、海外から送付されたことがわかる国際郵便等の封筒を捨てずに申述書と一緒に提出します。

 

F 生計の概要

●生計の概要(その1)
世帯を同じくする家族の収入、支出、資産等の生計を記載するものです。一世帯ごとに作成します。帰化申請日の前月分について記入します。他の書類と違って、申請者ごとに作成する必要はありません。ただし、同居の親族に関して記入するため、帰化申請しない方の分も含めてすべて記入しなければなりません。
生計の概要(その1)は、世帯を同じくする親族の収入、支出等を申請の前月分について具体的に記入します。世帯を別にする親族からの仕送りがある場合も記入しなければなりませんので、注意が必要です。
(1)年月日
作成した年月日を和暦を使って記入します。
「収入」欄
(1)氏名・月収
その世帯で収入のある方の氏名をフルネームで記入します。月収は、税金や保険料等を差し引いた手取り金額です。
(2)種目
その収入の種類を書きます。
「給与」サラリーマンやアルバイト等の方、「事業収入」会社経営や個人事業主の方、「年金」年金受給者、「仕送り」といったように記入します。種目の後ろに、支払者も書きます。会社員の方の場合、「給与 ○○株式会社」と書きます。
(3)備考欄
備考欄には、勤務開始日を記入します。
(4)合計
同一世帯の収入の合計金額を書きます。仕送りがある場合は、その金額も合算します。この収入面の合計と、支出面の合計金額とが一致している必要がありますので注意してください。
「支出」欄
(1)食費
1か月分の食費をそのまま記入します。備考欄は特に何も記入しません。
(2)住居費
賃貸物件に住んでいる場合は、その家賃を記入します。毎月の共益費や管理費、駐車場料金などがあれば、家賃と合わせて合計金額を居住費とします。備考欄に各名目を記入していきます。家を購入し、住宅ローンを支払っている場合は、住居費には何も記入せず、主な負債の項目に記入します。マンションを購入した場合、管理費や修繕積立金があると思いますが、その金額は住居費に記入します。社宅や寮にお住まいで、給与から社宅費や寮費が引かれている場合、住居費の金額は空欄のままで、備考欄に「社宅費○○円給与から天引き」と記入します。
(3)教育費
子どもの教育費(学習塾や習い事等)にかかる費用を記入します。
(4)返済金
金融機関等から借入金がある場合に毎月の返済額を記入します。備考欄にその返済金が何かを記入します。(住宅ローン、マイカーローン等)
(5)生命保険等掛金
生命保険、医療保険、学資保険等の月々の保険料を記入します。
(6)預貯金
毎月おおよそ幾らくらい預貯金をしているのかを記入します。現在の預貯金高ではありません。
(7)その他
上記に該当しない支出金額を記入します。
電気・ガス・水道・携帯電話料金等の水光熱費や通信費、趣味やレジャーに使う遊興費や交際費等です。この部分は毎月変動するものなので、ここで収入と支出の帳尻を合わせるようにしてください。
(8)空欄部分
どれにも該当しないもので、毎月決まった支出となるものがあれば、新たに項目を作って記入します。
例えば、親への仕送り(海外送金)等が該当します。備考欄には、どなたへの仕送りなのかを記入します。
(9)合計
支出面の合計金額を記入しますが、収入面の合計金額と一致させてください。
「主な負債」欄
借入をしている場合に、借入目的、借入先、残額等について記入します。
(1)借入の目的
住宅ローン、マイカーローン、学資ローン等
(2)借入先
各金融機関名と支店名まで記入します。(例:みずほ銀行〇〇支店)
(3)残額
現在、借入の残額がいくらなのかを記入します。
(4)完済予定
借入金の返済が終了する日付を記入します。(例:令和〇〇年〇〇月)
※借入金があっても、現在の預貯金の残額が少なくても、支出より収入のほうが多くなっており、毎月安定した収入があれば問題ありません。
●生計の概要(その2)
不動産や預貯金など、現世帯で有している資産について記入します。生計の概要(その1)と同様に、世帯で1枚作成する書類になります。日本国内にある不動産や預貯金以外にも在外不動産等についても記入しなければなりません。動産については、概ね100万円以上のものを記入します。
「不動産」欄
日本にある不動産は「在日不動産」、海外にあるものは「在外不動産」とします。
(1)種類
登記事項証明書の表題部の記載を参考にします。
■建物の場合
登記事項証明書の表題部に書かれた種類、構造を書きます。居宅、鉄筋コンクリート造など。
■土地の場合
登記事項証明書の表題部に書かれた地目を書きます。宅地など。
(2)面積
登記事項証明書の表題部の記載を参考にします。
■建物の場合
登記事項証明書の表題部の床面積の欄に書かれた数字を記入します。
■土地の場合
登記事項証明書の表題部の地積の欄に書かれ数字を記入します。
※どちらも単位まで記入します。
(3)時価等
正確な金額でなくとも問題ありません。購入時の金額を参考に、算出してください。
(4)名義人
登記事項証明書の権利部の権利者その他の事項の欄に書かれた権利者を書きます。
「預貯金」欄
(1)預入先
金融機関名・支店名を記入します。
(2)名義人
その預貯金口座を持っている人の氏名を記入します。
(3)金額
通帳通りに残高を記入します。
「株券・社債等」欄
(1)種類
持っている株券や社債のついて記入します。証券会社の取引報告書や残高報告書を参考に記入します。
(2)評価額
評価額はおおよそで問題ありません。世間の相場を確認しながら記入してください。
(3)名義人等
株券・社債等の権利を持っている人の氏名を書きます。
「高価動産」欄
不動産に外の高価な動産について記入します。
(1)種類
概ね100万円以上のものを記入します。自動車、宝石、絵画等。
(2)評価額
経年劣化等も参考に中古価格を記入します。
(3)名義人等
高価な動産の権利を持っている人の氏名を記入します。

 

G 在勤及び給与証明書

在勤及び給与証明書は、申請者だけでなく、配偶者や子どもなど生計を同じくする親族(同居の親族)が給与等の収入を得ている場合には全員分必要となる書類です。同一世帯では、収入を得ている人数分の在勤及び給与証明書が必要になります。職種も具体的に記入してもらいます。個人事業主や会社経営の方は、ご自身で作成します。
(1)住所
帰化申請者の住所を記入します。
(2)氏名・生年月日
帰化申請者の氏名、生年月日を記入します。
(3)職種
会社での職種を具体的に書いてください。就労ビザの方は、在留資格に合わせます。
(4)入社日
入社年月日を記入します。
(5)所属課等
会社での所属部課を記入します。
(6)日付
作成した日付を記入します。
(7)社名・所在地・代表者名・押印
勤め先の会社名、所在地、代表取締役名、会社印を押印します。
(8)給与関係
給与明細通りに記入します。原則、申請する前月分について記入します。

 

H 自宅附近の略図

申請者の自宅附近の略図を世帯ごとに作成します。過去3年以内に引っ越しをしている場合、以前の住所についても略図が必要になります。複数回の引っ越しがあれば、すべてについて作成します。
(1)国籍
帰化申請する人の国籍を記入します。
(2)氏名
帰化申請者の氏名を記入します。(帰化前の氏名です。)
(3)住所
住民票に記載されている通りに記入します。住み始めた年月日は、住民票、住民票の除票、閉鎖外国人登録原票等を参照して記入します。電話番号は、携帯電話番号で構いません。
(4)あなたの国籍を、近所の人は知っているか
どちらかにチェックを入れます。
(5)特に親しく付き合っている人があればその人の住所、氏名、電話番号
親しくしている方がいれば記入します。
(6)自宅附近の略図
最寄駅から自宅までの略図を記入します。最寄駅から自宅までの経路を矢印でつなぎます。徒歩何分かかるかも記入します。地図は手書きでなくとも、インターネットからコピーしたもので構いません。

 

I 勤務先附近の略図

申請者の自宅附近の略図同様に、勤務先附近の略図を作成します。こちらも過去3年以内に転職している場合は、前勤務先のものも必要になります。複数回の転職があれば、すべてについて作成します。
(1)国籍
帰化申請する人の国籍を記入します。
(2)氏名
帰化申請者の氏名を記入します。(帰化前の氏名です。)
(3)勤務先住所
専業主婦や未成年の方は、原則作成不要ですが、3年間にアルバイトをしていた場合はアルバイト先について作成します。両親や配偶者に扶養してもらっている場合は、両親や配偶者の勤務先について作成する必要があります。
(4)あなたの国籍を、勤務先の人は知っているか
どちらかにチェックを入れます。
(5)勤務先での上司、同僚等の役職・氏名
帰化申請者であるあなたとの関係性を記入します。
(6)勤務先附近の略図
最寄駅から勤務先までの略図を記入します。最寄駅から勤務先までの経路を矢印でつなぎます。徒歩何分かかるかも記入します。地図は手書きでなくとも、インターネットからコピーしたもので構いません。

 

● 収集しなければならない書類

帰化許可申請をする方の国籍や現在の状況(独身、既婚、日本人配偶者あり、親族に帰化した方がいる等)によって、収集しなければならない種類が違ってきます。そのため、事前の法務局の面談は必ず受け、どの書類が必要なのかを指示してもらうべきです。そうすることで、無駄な書類を集めることもありませんし、逆に必要な書類が漏れることもありません。

 

例として、中国籍で日本人の方と結婚されている方の場合に必要な書類について記載します。
@ 国籍・身分関係を証する書面

本国書類
(1)「国籍証明書」 ※駐日中国大使館で取得します。
(2)「出生公証書」 ※申請人のもの
(3)「結婚公証書」(父母のもの) ※父母が離婚されている場合は、「離婚公証書」が必要です。
(4)「親族関係公証書」 ※親子関係を証明するもの
日本国内書類
(1)「戸籍謄本」(全部事項証明書) ※日本人配偶者のもので、婚姻の事実の記載のあるもの
(2)「戸籍の附票」 ※日本人配偶者のもので、申請前3年以内に住居の移転がある場合は取得します。

 

A 住民票の写し等

(1)「住民票の写し」 ※世帯全員分が記載され、マイナンバー以外省略無しのもの
(2)「住民票の除票の写し」 ※申請前3年以内に住居の移転がある場合は過去の分を取得します。

 

B 納税証明書等

(会社員の方の場合)
(1)現年度の住民税の課税証明書(又は非課税証明書)
(2)前年度の住民税の納税証明書
(3)源泉徴収票(前2年分)
(4)確定申告書の写し(確定申告されているかたは、前年分のもの)

 

C 公的年金保険料納付証明書

(1)ねんきん定期便、年金保険料の領収書等の写し

 

D その他

(1)運転記録証明書 ※運転免許証をお持ちの方は、過去5年分について記載されたものを取得します。

 

● 手持ち書類の写し

お手元にあるもので、原本を提出できないものはコピーを2部取ります。
※コピーしか提出できないものについては、申請時に原本を持参します。
(1)在留カード(表裏)
(2)パスポート(表紙・顔写真のページ・ハンコがあるページすべて・手書きの記載があるページ)
※文字が印刷されているページ以外はすべてコピーします。また、過去に失効した分も含めてすべて提出します。
※配偶者の方も外国人の場合は、配偶者の方のパスポートのコピーも提出していただきます。
(3)運転免許証(表裏)
※その他、国家資格・公的資格等で申請書に記載したものがあれば、同様に提出します。
(4)賃貸契約書
※賃貸物件にお住いの方は提出します。
(5)確定申告書の控え
※確定申告されている方は提出します。
(6)卒業証明書又は卒業証書
※最終学歴を証明する資料として提出します。

 

● その他

(1)スナップ写真
※家族、同居している者、友人等と写したものを3枚程度
(2)母子手帳
※現在妊娠している方

 

 申請書類の提出

提出するすべての書類は、正副2部提出します。
正については、申請した法務局から法務省へ送られます。副は申請した法務局で保管され、法務省から問い合わせがあった際に対応するためのものです。
1.提出先
申請者の住所地を管轄する法務局・地方法務局になります。例えば、神奈川県横浜市にお住まいの方は、横浜地方法務局へ申請します。神奈川県川崎市にお住まいの方は、横浜地方法務局川崎支局へ申請しいます。東京都にお住いの方は、東京法務局へ申請します。東京都のみ、都内のどちらにお住まいでも本局でしか申請できません。
申請にかかる費用は無料です。手数料等必要ありません。
2.申請は本人が出頭する
書類の提出は、必ず申請人本人が行わなければなりません。4人家族で申請したのであれば、家族4人で出頭します。申請書類に対して、担当官が本人に個別に質問する場合があります。また、受理された際に、帰化許可申請書に申請日の日付けをその場で記入しなければなりません。さらには、宣誓書に申請人本人が自署しなければなりません。(ただし、15歳未満の方は出頭せずに、法定代理人の方が代わりに対応することで問題ありません。)
3.申請後の注意事項
帰化許可申請後、以下のような申請書の記載内容に変更が生じた場合、又は新たな予定が生じた場合等は、速やかに申請した法務局へ報告しなければなりません。
@ 住所又は連絡先(電話番号)が変わったとき
A 婚姻・離婚・出生・死亡・養子縁組・離縁等の身分関係に変更があったとき
B 在留資格や在留期限が変わったとき
C 出張や観光旅行等、日本国から出国する及び入国したとき(事前に再入国日がわかる場合は、報告すること。)
D 法律に違反する行為があったとき(交通違反も含まれます。)
E 仕事関係(転職したた、転勤した等)に変更があったとき
F 申請書に記載した、帰化後の本籍・氏名を変更したいとき
G その他法務局へ報告する必要が生じたとき(新たに国家資格・公的資格を取得した等)
※追加書類を郵送する際は、必ず帰化許可申請の「申請日・受付番号」を記載してください。

 

 帰化が許可された後

1.帰化の届出
帰化の許可が下りると、法務局から申請者本人に連絡があり、官報に告示されます。また、身分証明書が交付されます。身分証明書が交付されたら、1か月以内に居住地の又は新たに本籍地として定めて市区町村役場に帰化の届出を行います。
@ 夫婦が生来の外国人である場合に、夫婦一緒に帰化が許可されたとき
A 夫婦の一方が元日本人である場合に、夫婦一緒に帰化が許可されたとき
B 夫婦の一方が日本人である場合に、他の一方の帰化が許可されたとき
C 15歳以上の独身者の帰化が許可されたとき
D 15歳未満の者の帰化がきょかされたとき(法定代理人が届出を行います)
以上@〜Dの場合で届出用紙が異なりますので、市区町村役場でお尋ねください。
2.在留カードの返納
外国人が外国人でなくなった場合、その事由が発生した日から14日以内に、居住地の市区町村役場に在留カード又は特別永住者証明書を返納しなければなりません。返納を怠ると、過料に処せられます。また、パスポートを返納したり、出入国在留管理局への申出も必要です。

 

これで、晴れて日本人となります。

 

 

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