夫婦の年齢差がある場合

夫婦の年齢差がある場合、「日本人の配偶者等」の在留資格の審査は厳しくなります。概ね15歳以上の年齢差がある場合が該当します。離婚歴も重要です。特に前の結婚も外国人であった場合(逆に外国人が前の結婚も日本人だった場合)結婚の本気度や継続安定性が慎重に審査されます。
このような場合は、二人の結婚に対する本気度や結びつきの強さなどを証明する必要があります。
まずは、出会いから結婚に至るまでの詳細な経緯を説明します。既定の「質問書」の枠に収まる程度の簡単な説明ではだめです。「なぜ」交際しようと思ったのか、「なぜ」結婚しようと思ったのか、「なぜ」その相手(外国人)でなければならないのか、などです。また、ご自身や相手の方の気持ちの変化を記載するのはとても大切です。そのあたりは、包み隠さず記載するほうがよいでしょう。出会いから結婚までの交際期間中の写真、特に結婚式や双方のご両親や親戚、友人等と一緒に写した写真が必要です。できれば、時系列に20〜30枚程度用意した方がいいと思います。その他には、交際期間中の手紙、メール、ライン等のやりとり、電話の通話記録なども出せれば、より信憑性が上がります。写真には、「いつ・どこで・誰と」写したものかを必ず記載してください。お相手が海外にいる場合は、双方の渡航歴も重要です。交際から結婚までの間に、一度も行き来していないということは不自然です。何回とは明確に決まっていませんが、ある程度の回数は行き来している方が自然です。また、1回の渡航で何日滞在しているかも重要な指標です。夫婦の会話の言語も審査対象になります。双方母国語しか話せない状況であれば、どうやって意思疎通を図るのかを疑われます。特に日本人は日本語しか話せない方が多いので、英語等の語学の証明書(実用英語検定・TOEIC等)の結果を提出できれば、なおよいです。

交際期間が短くて結婚した場合

このような場合は、結婚の信憑性について、かなり厳しく審査されることが予想されます。実際に会っている日数が1日だけで結婚しようと決めたとなると、出会いから結婚までの経緯を、かなり詳細に説明する必要があります。交際経緯説明書を夫と妻の2通作成し、双方の気持ちの変化などを詳細に記入します。双方の両親も了解していることなど、両親が作成した上申書などを提出します。

日本人配偶者の離婚歴が多い場合

日本人側の離婚歴については、問題となる場合とならない場合があります。例えば、今回が2回目の結婚であり、元配偶者が日本人で結婚機関も10年以上あり、協議離婚であれば、まず問題にはなりません。しかし、@離婚歴が多い場合、A前婚の結婚期間が短い場合、B前婚の配偶者も外国人であった場合等、かなり審査は厳しくなります。経済的な安定性に問題がなくても、@〜Bのずべてに該当してしまったような場合、まずはこれまでの結婚の経緯と離婚の原因について詳細に説明しなければなりません。そして、今回の結婚の気持ちや前回までの反省点を書き出し、それらを踏まえて今回の結婚に対する強い決意のようなものを書いて提出します。

外国人配偶者の離婚歴が多い場合

離婚歴のある外国人、特に日本人との離婚歴のある外国人と結婚する場合、配偶者ビザの申請は慎重に行う必要があります。相手が男性でも女性でも同じです。外国人側に離婚歴がある場合、離婚回数、前婚の期間、離婚原因、離婚から再婚までの期間、子どもの有無、扶養の有無など前婚についても厳しく審査されます。特に、前婚の結婚生活に実態がなく、長期間別居していた場合などは、かなり厳しい審査になります。また、離婚手続が双方の国で成立しているかも重要です(注)。日本だけで離婚が成立していた、外国人の本国では既婚のままである場合は、離婚手続が難航する場合があります。条件が悪く、厳しい審査になると予想される場合は、できる限り双方の両親に面会したり、両親同士を引き合わせたり、手紙のやりとりをしたりと双方の両親も了解していることをアピールできるものがあると有利に働く可能性があります。
(注)外国人配偶者がフィリピン国籍の場合はこの限りではありません。フィリピンでは法律上離婚ができないことになっています。

外国人技能実習生と結婚する場合

外国人技能実習生は、技能実習という在留資格で日本に住んでいます。このビザの本来の目的は、当該外国人が日本で高度な技術や知識を学び、その技術等を母国に戻って活かしてもらうことです。そのため、日本人と結婚して引き続き日本に住むことは、本来の目的と異なってしまいます。
このため、現行の制度では、原則として、技能実習生から配偶者ビザ(他のビザも含む。)への変更は認められません。しかし、例外として、その外国人実習生がすでに妊娠している場合、あるいは、すでに出産して子どもがいる場合等です。妊娠や出産がないときは、実習期間が終了するのを待って結婚し、いったん帰国してから再度呼び寄せる手続をするほうがスムーズな場合もあります。

日本人が直近まで海外で仕事をしており、日本での収入証明がない場合

日本人の配偶者等の在留資格を取得する際、直近年度の住民税の課税証明書(又は非課税証明書)と納税証明書の提出が必要となります。直近まで仕事をしていた場合、日本では非居住者扱いとなっているので、住民税の納税義務はありません。そのため、課税するだけの収入がないということになりますので、非課税証明書若しくは発行されない場合もあります。
この場合、代わりになる書類として赴任国の勤務先から発行された給与明細、銀行振込の記帳されたページ、海外赴任の辞令等を提出し、海外で勤務し収入を得ていたことを証明します。もちろん外国文書であれば、日本語訳を付けることを忘れてはなりません。

日本人側が年金や健康保険に未加入である場合

日本人側が国民年金や国民健康保険に未加入であったとしても、現行の審査では直接不利になることはありません。申請時の書類に年金や健康保険に関する書類は含まれていません。ただし、永住申請をお考えの場合は、年金保険料・健康保険の保険料の納付は必須です。納付義務が発生してから継続納付していることが原則です。

結婚後1年以上経過してから呼び寄せる場合

国際結婚後、日本で暮らす場合、すぐに在留資格認定証明書交付申請をすることが多いです、その方が自然です。ただ、相手方が母国で仕事をしており簡単に辞められない、あるいは日本人側の受け入れ準備が整っていいない等の理由で申請時期をずらすこともあり得ます。このような場合、なぜ結婚後すぐにビザ申請をしなかったのかを説明しなければなりません。また、申請時期をずらすといっても3年未満までにしたほうが無難です。

外国人留学生と結婚する場合

外国人留学生が日本人と結婚する場合、留学ビザから配偶者ビザへ変更することは可能です。この場合、申請の期限はありませんので、結婚後すぐに、あるいは学校を卒業してから変更しても構いません。しかし、留学生が学校に通っていない場合、あるいは退学した後に結婚した場合は、かなり厳しく審査されます。学校へ行きたくないから結婚したのではないか、就労目的のビザ変更ではないかと疑われます。留学生は勉強するために来日を許可されているため、本来の目的である勉強することを継続(通学)若しくは修了したのであれば問題ありません。ただし、交際の信憑性を示す根拠や説得力のある交際経緯書の準備が必要です。

交際期間中の写真が少ない場合

配偶者ビザを申請する際、二人で写した写真を数枚提出しなければなりません。結婚式、旅行、親族の集まり等、様々な場面のものを複数枚用意します。特に、交際期間が短い、会った回数が少ない場合などは、できる限り多くの写真を用意する方がよいです。写真が少ない場合は、SNSやメールでのでのやりとりの履歴を多めに提出するなどの工夫が必要です。結婚前の写真がなければ、結婚後の写真を用意することも必要です。

短期滞在の在留資格から日本人の配偶者等に変更する場合

「短期滞在」から在留資格を変更することは原則できません。ただし、変更を認める特別な事情がある場合には、変更が認められることもあります。この申請は、管轄する入管によって扱いが異なりますので、事前に問い合わせた方がよいです。東京出入国在留管理局では事前相談が必要です。事前相談で問題がなければ申請することは可能ですが、許可される保証はありません。
事前相談の場合に、結婚の信憑性に問題がないこと、日本人配偶者の扶養能力の問題がないこと、外国人配偶者の日本での仕事が内定していること、日本人配偶者の親族が希望していること等、これらを証明する資料を提出することで許可の可能性が高まります。

日本人側の収入が少ない場合

日本人と結婚する外国人が配偶者ビザを取得するには、世帯年収も審査対象です。例えば、日本人夫が会社員で、外国人妻が無職の場合、日本人夫の扶養能力が重要になってきます。子どもの有無や居住地域で異なりますが、夫婦が一般的な日常生活を送れるだけの安定した収入があるかどうかです。収入が少ない場合には、それなりの預貯金があるか、万一の際には売却して換金できる不動産などがあるかどうかを書面で証明します。または生計を同じにする両親の資産状況も証明資料として提出します。これらが提出できれば、収入が少なくても許可される可能性が高くなります。

 

 

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